奈良の見どころ その20 興福寺 特別公開 北円堂特別開扉

近頃の奈良は葉が色づきはじめ、とてもいい季節になりました。

2016年10月奈良公園
秋ですね~   鹿さん 道路へ飛び出したりしないでね

今回は、奈良公園の散策や、正倉院展にいらした際に、立ち寄るのにピッタリな、興福寺の北円堂の特別開扉のご紹介です。

北円堂は、猿沢池そばの、南円堂と同じく八角円堂で、興福寺創建者藤原不比等の一周忌に建てられた御堂です。
北円堂の詳細は興福寺北円堂のページをご覧ください。

興福寺 南円堂
猿沢の池のそばにある南円堂です。

堂内中央に弥勒如来(みろくにょらい)坐像、その両脇に、無著(むちゃく)と世親(せしん)の像(※1)、4隅に四天王立像などが配置され、それらを間近で見ることができます。
弥勒如来坐像と四天王立像が140cmほど、無著と世親の像が2mほどとなかなかのおおきさです。
四天王立像は、大袈裟なぐらいに力強いポーズをとるなど、躍動感にあふれています。

前回拝観した際は、ほの暗く、それほど広くない堂内に、大きな多くの仏像が、ろうそくの光や扉から差し込む光で、ほんのりと浮かびあがり、圧倒されるような、畏怖の念を覚えるというような、感覚がありました。
皆さまは、北円堂内をごらんになって、どのように思われるでしょうか?

興福寺 北円堂特別開扉は11月13日(日)まで行われています。奈良公園観光、正倉院展にお越しの際は、ぜひ、興福寺北円堂にもいらしてみてはいかがでしょうか?

菊一文珠 興福寺ふきんの地図
近鉄奈良駅からすぐです。

このイベントの詳細は、興福寺 北円堂特別開扉のホームページで!

 

※1 無著(むちゃく)と世親(せしん)とは、5世紀ころ、北インドで、法相(ほっそう)教学を確立したといわれる兄弟です。

「奈良公園のおもな行事」カレンダーを作成しました。

奈良公園では、四季を通じていろいろな行事が行われます。
特に秋は、いろいろな行事がありますので、カレンダーにまとめてご紹介できるようにしました。
また、お問い合わせの多い、柳松庵の「春日鹿まんじゅう かのこ」の製造日や、菊一のイベントなども併せて載せておりますので、ぜひご利用ください。

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奈良公園の主な行事1

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奈良公園の主な行事2


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奈良の見どころ その19  奈良発祥の武道 宝蔵院流槍術と柳生新陰流兵法

今回は、宝蔵院流槍術演武会 と 刀剣女子にお勧めの柳生新陰流の発祥の地「柳生の里」体験ツアーのご紹介です。

先日、興福寺東金堂前で行われた宝蔵院流槍術の奉納演武会に行ってきました。

宝蔵院流槍術演武会
槍を手に、宗家・免許皆伝の方々の登場です。 とても凛々しい立ち姿です。

宝蔵院流槍術(ほうぞういんりゅう そうじゅつ)は、約450年前、興福寺の僧宝蔵院覚禅房胤栄が槍の修練に勤め、十文字鎌槍を工夫し創始したと伝えられている奈良発祥の武術です。

明治維新後の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)のとき、胤栄の坐像と歴代院主の位牌(いはい)の行方が分からなくなるという混乱があったようですが、今年の春、150年ぶりにそれらが発見され、新聞各紙に掲載されるなど大きく報道されました。

2016年秋 宝蔵院流槍術演武会
奉納演武の様子
仏様、僧侶、来賓、多くの観客の方の前での披露です

鎌槍を活用した槍術の特徴は、「突けば槍  薙げば薙刀  引けば鎌  とにもかくにも外れあらまし」とうたわれるように突くだけでなく、巻き落とす、切り落とす、打ち落とす、摺り込む、叩き落とすなど、攻防に大変優れている武術だそうです

演武会では、槍合わせの型が披露されました。構えてからの突きや滑らかに打ち落とす動きなど、無駄がない、流れるように美しく力強い演武でした。

11月以降も、奉納演武会が予定されていますので、お時間があれば、古の武道をご覧になってはいかがでしょうか?
次回は、柳生新陰流兵法の演武と一緒に行われるようです。

※ 第60次式年造替奉祝 柳生新陰流兵法・宝蔵院流槍術  春日大社奉納演武会
日時 : 平成28年11月26日(土)10:00~
場所 : 春日大社 林檎の庭
※ 春日若宮「おん祭」柳生新陰流兵法。宝蔵院流槍術奉納演武
日時 : 平成28年12月17日(土)14:30~
場所 : 「影向の松」前
詳しくは宝蔵院流槍術 行事予定・報告ページをご覧ください

また、柳生新陰流にかかわってご紹介したいのが
「 歴女・刀剣女子にオススメ!400年前の剣術が息づく里「柳生」体感ツアー です。
日帰り、昼食付のバスツアーで、日本刀の工房見学、柳生家の菩提寺の訪問、日本刀、手裏剣を実際に使用しての「忍術体験」ができます。実施日、料金は奈良市観光センターホームページに掲載されていますので、ぜひご覧ください。
観光だけでなくからだを動かして楽しんでみませんか?
奈良の魅力発見ツアー  400年前の剣術が息づく里「柳生」体感ツアー」のページで!!

うどんのルーツ 餺飥(はくたく)うどん

今回は、うどんのルーツといわれる 餺飥うどんのお話です。

昔の人々が食していた「餺飥うどん」は、うどんの元祖ともいわれ、小麦粉に米粉や山芋の粉などを混ぜた平麺に、醤(ひしお)をつけて食べていたようです。

はくたくうどん
はくたくうどん と ひしお

醤(ひしお)とは、醤油のルーツと云われる古代の発酵食品で、時間をかけて発酵させることによってできる「旨味」があり、それが醤油へと発展して受け継がれてきたようです。
平城京時代の資料では、新嘗祭宴会の雑給として食料が支給された際、「醤」は、貴族(5位以上)には支給があっても、下級官人(6位以下)にはないなど、上流階級の方が召し上がる貴重な調味料だったようです。(注1)

餺飥うどんは、春日大社のご神饌に供されていたことが文献に残っているほか、右大臣藤原実資の日記『小右記』に、一条天皇の春日大社行幸(989年)の折、春日大社での饗宴の場で、20人の「餺飥女」(はくたくめ)が音曲に合わせて餺飥を打ったとの記載が残っています。(注2)

御所車
御所車

ところで、一条天皇のお話をすると・・・・
春日大社行幸の際は10歳でしたが、後に皇后に定子、中宮に彰子を迎えられた天皇です。
定子・彰子のお名前でお気づきの方も多いかと思いますが、一条天皇の在位期間は、皇后定子にお仕えした清少納言の「枕草子」、中宮彰子にお仕えした紫式部の「源氏物語」に代表されるように、女流文学が栄えた、平安時代でも一番華やかな時代です。

十二単衣
十二単衣

また、前述の 右大臣藤原実資 「小右記」 には、一条天皇が頭痛で大変な時、安倍清明に見立ててもらったとの記述もあり、遠い時代のお話ですが、一度は耳にしたことがある方のお名前が多く出てくる時代です。

この頃の、王朝貴族の間では、寺社参詣が盛んだったようです。勢力をふるった藤原道長など多くの権力者が、奈良の春日大社をはじめ寺社仏閣に参詣されています。
もしかしたら、歴史の教科書に載っている方々が はくたくうどんを、召し上がっていたかもしれませんね。
奈良観光にお越しの際は、ぜひ歴史ある「はくたくうどん」を土産話の一つとして、召し上がってみてはいかがでしょうか?

弊社グループでは、「はくたくうどん」をコシとモチモチ感のある麺にし、醤だけでなく、のっぺ汁で食べていただくなど現代風にアレンジいたしました。

下記店舗でお召し上がりいただけますので、ご利用ください。
大和風料理 永楽(菊一文珠四郎包永本店内)

    春日餺飥(はくたく)うどんと永楽膳のセット

はくたく 春日永楽膳
はくたく 春日永楽膳

・団体のお客様専用・事前予約が必要です。
・詳しいメニュー内容等は 大和風料理 永楽HP

☆本店では、「はくたく麺」を販売しています。お立ち寄りの際はぜひどうぞ!!

ならや 東大寺店(夢風ひろば内)

はくたくうどん膳

はくたくうどんと釜飯
はくたくうどんと釜飯

・釜飯とセットです。醤(ひしお)ではなく、のっぺ汁をつけてお召し上がりください。
・ご予約なしでお食事していただけます。営業時間10:00~17:30
・お店の様子や地図などはならや東大寺店HPで


菊一 はくたく関連ブログ一覧
◆ 菊一でテレビ撮影が行われました。その3 テレビ朝日「歴史街道スペシャル」 (9月12日付)
◆ 春日はくたくうどんの試作・試食会を行いました (2月17日付)
◆ 「モダン春日はくたく女の舞」が披露されました  (2月16日付)


参考文献
(注1)古代の都2 「平城京の時代」 株式会社吉川弘文館 編 田辺征夫、佐藤 信
(注2)現代語訳小右記 2 道長政権の成立 株式会社吉川弘文館 編 倉本 一宏

春日鹿まんじゅう かのこ  好評発売中

9月16日(金)に、春日大社奉納後、発売を開始いたしました 「春日鹿まんじゅう かのこ」は、新聞各紙に掲載していただき、予想以上の反響で、スタッフ一同大変喜んでおります。

春日鹿まんじゅう
春日鹿まんじゅう

新聞をみて、「食べてみたくって」とお買い求めに来ていただいたお客様、食べて「おいしかったよ」といってくださるお客様。本当にありがとうございます。

奈良市商店街振興会 様 には、9月27日(火)の「お客様感謝イベント 第10回ならまち演芸」での景品として多数ご購入していただきました。「おいしいし、奈良らしいお菓子で、プレゼントにピッタリ」とうれしいお言葉をいただいています。

ならまち演芸
ならまち演芸 抽選会の様子。会場の笑いが絶えません。リニ―君も登場です。

店舗によっては、品切れが発生してしまい大変ご迷惑をおかけしております。現在、生産量を増やし対応しておりますので、何卒ご容赦のほどお願いいたします。

今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

■関連記事(2016年9月掲載分)
奈良新聞社   (9月17日付)
奈良日日新聞  (9月23日付)
読売新聞     (9月29日付)