ドラマの撮影・放映がありました。 その6(ほんの1シーンですが・・・・)

昨年、菊一文珠四郎包永本店で撮影があり、先日そのシーンが、テレビで放映されました。ほんの数十秒でしたが、お分かりになった方はいらっしゃいますか?

番組名は、TBS系「みなと署落とし物係 秘密捜査官危険な二人」(弊社HP「お知らせ」でもご紹介しています。)

このドラマは、浅野ゆう子さんと遠藤憲一さんのダブル主演で、そのほかに、高橋英樹さん、小野寺昭さん、佐野史郎さん、鈴木福くん、元仮面ライダーの桐山漣さん、吉本新喜劇の座長 内場勝則さんなどなど、本当に豪華なキャスティングで、京都駅や、神戸港のロケシーンも入った本格的な刑事ドラマでした。

菊一文珠四郎包永本店
本店の入り口がロケに使われました。

菊一包永本店のシーンは、店先でお掃除している当店スタッフが、遠藤さんふんする刑事さんに「このあたりに昔あった○○商店街、知らないですか?」と聞かれて、「いや~知らないですね~」という刑事ドラマで定番の内容でした。

当店スタッフのあまりにも自然な演技にビックリ。後で彼女に聞いたところ、特に打ち合わせなどはなく、撮影スタッフから「遠藤さんが何か聞いてきますから、知りませんと答えてください」とだけ言われたそうです。

本当に知らないことなので、演技をしたというよりは、そのまま答えただけのようでした。撮影スタッフが演技に不慣れな一般人の扱いに長けていたということでしょうか。

興福寺五重塔
興福寺 五重の塔から猿沢の池へ降りる階段 ドラマの中で遠藤さんが、事件の謎の解明のため、駆け下りていました。

今後「みなと署落とし物係 秘密捜査官危険な二人」はシリーズ化されるようです。義姉役(浅野ゆう子さん)と義弟役(遠藤憲一さん)の掛け合いが楽しみです。

奈良公園付近で、ドラマ・映画のロケといえば・・・・

2013年に放送された、杏さん主演のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(ロケ地 奈良女子大学)や、奈良が舞台で、主役が玉木 宏さん、綾瀬はるかさんも出演の「鹿男あをによし」(2008年1月から3月フジテレビ系列で放映)を思い出します。あの時は、ロケ地巡りでにぎわいました。

奈良公園 飛火野
奈良公園 飛火野(とびひの) 「鹿男あをによし」では、主人公の玉木 宏さんが、鹿さんとお話していたところです

調べてみると、奈良は昔からいろいろな映画のロケに使われていました。
奈良県観光公式サイトの「奈良にゆかりの映画情報」によると
「羅生門」(黒沢明監督、主演 三船敏郎さん 京マチ子さん)
「男はつらいよ 第1作など多数」(山田洋次監督 主演 渥美清さん、光本幸子さん)
野村萬斎さん主演の「陰陽師」、市川崑監督作品など。
最近は、河瀬直美監督が撮影に利用されています。

映画にご興味のある方はぜひ、
なら旅ネット<奈良県観光公式サイト>「奈良にゆかりの映画情報」をご覧ください。
懐かしい思い出の映画があるかもしれませんね。

今回のブログの最後に、最近撮影した奈良の風景をご紹介します。奈良は、自然、歴史的な建造物などなど素敵な風景がありますので、これからもいろいろなドラマや映画に登場してほしいものです。

平城京跡 東院庭園
奈良平城京跡 東院庭園
3月中旬の様子。春になって桜が咲くのが楽しみです。

東院庭園は、発掘調査により、復元した古代庭園です。複雑な形の池と空と建物がとてもきれいな庭園です。

元奈良少年刑務所(重要文化財)
奈良少年刑務所
平成29年3月閉鎖 撮影時は閉鎖前。警備の方に写真撮影の許可は頂きました。

奈良少年刑務所は、明治政府が建設した「五大監獄」一つで、重厚なれんが造りの建物。今後は国が所有権を持ったまま民間に施設の運営を任せ活用する予定とのこと。

般若寺

奈良 般若寺

穏かな時間が流れるお寺です。四季折々のお花がきれいなお寺で、二月の下旬にお伺いしたので水仙が咲き始めていました。

興福寺南円堂そばの階段
興福寺 南円堂そばの階段
多くの観光客の方が集まる興福寺南円堂と猿沢の池を結ぶ階段です。

ご紹介した場所へは、下記地図でご確認ください。

菊一文珠四郎包永 伝聞 No2 大和五派 手搔 包永

弊社は鎌倉時代の 手掻派刀工「包永(かねなが)」を祖にもち、その技を現在まで受け継ぐ打刃物を製造・販売しています。

前回、菊一文珠四郎包永 伝聞 NO1では、「包永(かねなが)」が残した刀をご紹介しました。今回はそんな手搔派 文珠四郎包永 の名前にかかわるお話です。


まずは、「手搔派」について

大和の国(奈良)には、大和五派(やまとごは)といわれる刀工集団がおりました。
千手院(せんじゅいん)、尻懸(しっかけ)、当麻(たいま)、保昌(ほうしょう)、手掻(てがい)です。

包永は「手搔派」ですが、この名称は、初代包永(平三郎)が、鎌倉時代後期、東大寺の転害門(てがいもん)付近に住んでいたことが由来になっています。

転害門
国宝 転害門 平家の兵火、三好・松永の戦いの2回の戦火にも焼け残った、奈良時代の貴重な建物です

転害門(てがいもん)は、東大寺の西側にあり、「碾磑門」「手掻門」「手貝門」と色々な漢字が使われており、包永一門はここから手掻派と呼ばれるようになったようです。

ちなみに、「手搔」の由来は・・・
高僧 行基が、大仏開眼供養会(752年)のため、インドからいらした僧侶たちを転害門で出迎えた時に、手を掻くように動かして招き入れたことからつけられたといわれています。到着を心待ちにされていたんですね。

包永一族は長きにわたりこの地に住んでいたようで、転害門前には、包永町という町名がいまも残っています。


では、次になぜ名前に「文珠」がついたのかのお話です。

包永の子(別説では孫)も、四郎左衛門も刀工となり、日々作刀の修行をしておりましたが、同時に般若寺に足しげく通う、信仰心の熱い方だったようです。

般若寺 楼門
国宝 般若寺 楼門 昨年秋の風景。爽やかな風が吹いていました。

般若寺 寺伝によると、四郎左衛門がご本尊の文殊菩薩像に立派な刀を作りたいと心より祈願したところ、文殊様の化身が現れて、四郎と一緒に見事な刀を作り上げたとのこと。この功績で、般若寺より、文珠を名乗ることを許され、その後、文珠四郎と名乗るようになったと伝わっています。

当社では、この時作成した刀が、現在、静嘉堂文庫美術館に所蔵されている太刀(国宝)と伝えられています。

刀鍛冶
刀工 文珠四郎をイメージした弊社のロゴ

 


また、文珠四郎にかかわる伝説が、若草山麓の野上神社にも残っています。

野上神社
野上神社 奥が若草山。

野上神社は、毎年行われる山焼き行事の無事を祈願する、重要なお社で、山焼きの際は、このお社で祭典を行ってから山に点火されます。
御祭神は、「草野姫命(くさのひめのみこと)」、火の神様です。

野上神社
野上神社 金床石と四郎試し切りの石

その野上神社の東側(写真 お社の右側)にある方形の石が、文珠四郎が刀を作る際に使用した金床石、西側(写真 お社の左奥側)にある石は、文珠四郎の刀で切りつけた石といわれています。

野上神社
お社の左後ろにある、文珠四郎が試し切りをしたといわれる岩 切れ目が見えます

この伝説は、江戸期まで言い伝えられていたようで、江戸時代の尊皇派 高山彦九郎の「甲午春旅日記」に、野上神社のことが、以下のように書き残されています。

~安永三年(1774)二月十五日~
「山下に文殊四郎の社有、東の方たかくとこ石、西の方にこしらへし刀をこころみし石也とてきれて有り」


昔から変わらず、野上神社は若草山のふもとに鎮座されています。爽やかな風が吹き抜け、悠久の歴史を感じることができる所です。

奈良公園にいらした際は、ぜひ立ち寄られてはいかがでしょうか?

野上神社
左側すぐそばにある建物は若草山南ゲートです。

 

参考文献:

「奈良市史 工芸編」 編集者 奈良市史編集審議会
「春日大社のすべて」 著 者 花山院 弘匡

奈良の見どころ その32 国宝特別公開2017 阿修羅

今年、興福寺国宝館では耐震工事を行っており、残念ながら今年いっぱいは、文化財を数多く展示している国宝館に入館することができません。

月と興福寺
2017年3月 月と興福寺五重塔

ただ、阿修羅像など主要な国宝は、
「興福寺国宝特別公開2017 阿修羅-天平乾漆群像展-」
(あしゅら てんぴょうかんしつぐんぞうてん)」と題し公開されています。

公開期間

春:2017年3月15日(水)~6月18日(日)
秋:2017年9月15日(金)~11月19日(日)

公開される仏像

阿修羅像、八部衆像、乾漆十大弟子立像、金剛力士など国宝館内の主要な仏像

公開場所

仮講堂(興福寺東金堂前付近から入堂できます)
ふだんの国宝館に収められている様子とはまた違った、荘厳な雰囲気の中でご対面できます。

阿修羅像
阿修羅像イラスト

ところで、阿修羅像は、三面のお顔をもち、それぞれがとてもきれいな顔立ちで、その中に悲しみ・後悔など複雑な表情をもつことで有名です。

また、それだけでなく、合掌している手が正面中央からずれているので、作成当初は、法具など何か持っていたのではとの論争がありました。

合掌の様子
阿修羅像の合掌のイメージ

 

 

イラストは、阿修羅像の合掌のイメージです。ほんのちょっとですが、合掌した手が中央より左よりにあります。

今年2月、それが解明されたとのニュースがありました。
合掌している手が中央より左側にあるのは、明治時代の修復の際に動いてしまったためで、阿修羅像は作成当初から、現在の状態(合掌している姿勢)だったようです。
研究者の方々は、仏像を傷つけることなく、X線CTスキャン画像を解析し解明したそうで、現代の科学も素晴らしいですね。

興福寺の特別公開の詳しいお話は、
なら旅ネット<奈良県観光公式サイト>
興福寺国宝特別公開2017 阿修羅-天平乾漆群像展- (興福寺)をご覧ください。

また、国宝 銅造仏頭(どうぞうぶっとう)(旧東金堂本尊)が 東金堂に安置されています。こちらも特別公開です。
詳しくは、なら旅ネット<奈良県観光公式サイト>
国宝 仏頭-東金堂特別安置- (興福寺)をご覧下さい。

色々話題の多い、興福寺です。ぜひこの機会にお越しになりませんか?

奈良の見どころ その31 鹿寄せ、鹿さんの写真、鹿せんべい飛ばし大会 など

今回は、奈良公園で必ず見かける鹿さんの話題です・・・・。

ホルンの音色で鹿を呼び寄せる「鹿寄せ」が飛火野(とびひの)で行われています。朝10時に鳴るホルンの音で、森の奥からたくさんの鹿たちが集まって来てくれる、とてもかわいいイベントです。
吹く風はまだ冷たく、春は名のみの 風の寒さや~  ですが、3月12日(日)までの期間限定のイベントです。ぜひ可愛い鹿さんを見にいらっしゃいませんか?

鹿寄せの実施場所、時間など詳しい内容は、奈良の鹿愛護会 公式ホームページをご覧ください。


奈良公園内で働いていると、鹿さんとよく遭遇します。そんな鹿さんの、秋から冬の表情をご覧ください。

まずは、初霜が下りた時の 飛火野(奈良公園内)の様子です。

初霜と鹿
初霜でうっすらと白くなった飛火野
寒い冬の日と鹿
冷えた空気の中、鹿さんの吐く息も白く・・・・

今年の冬も寒かったですね。鹿さんも冬を頑張って乗りきりました。

開店待ちの鹿さん
お店の前で並ぶ鹿さん
お店の前で並ぶ鹿さん

お店の前で、お行儀よく開店待ちです。鹿せんべいを狙っているようです。並びながらも、餌をくれそうな人をきょろきょろ探しています。

お店の前でたむろする鹿さん
お店の前でたむろする鹿さん

周りの気配を伺う鹿さんもいて、お店が開く前から、鹿せんべいをもらう作戦を練っているような・・・・

でも鹿さんは、売り物の鹿せんべいを勝手に食べません。食べたいけど、がまん、がまん・・・・

鹿せんべいと鹿さん
食べたいけど、これは食べちゃだめ

この後、鹿さんは、エサを買ってくれる人が現れるまで待っていました。

ちょっと横着な鹿さん

横断歩道前に座り込んで、信号待ちをしている人にエサのおねだりです。

横断歩道前で
エサちょうだ~い

車が近づいても動じません。

道路の鹿さん
すいません。鹿さ~ん、車通してくださ~い。
※奈良公園に車でお越しの際は、鹿さんに十分ご注意ください。

仕事帰りにばったり・・・

暗闇の中、車のそばになにかいる!?と思ったら

暗闇の中の鹿
暗い駐車場で、何かが動いている・・・・

鹿さんでした。
かわいいけど、ちょっとビックリ。

暗闇の中の鹿さん
暗闇の中の鹿さん 画像は編集して明るくしています。

 

人懐っこい鹿さん

奈良公園で行われる行事は、ほとんど鹿さんが参加します。

2016年秋 奈良国際映画祭の様子(奈良公園地)
2016年奈良国際映画祭が始まる前の様子
2016年奈良国際映画祭が始まる前の様子

開催式が行われる直前のレッドカーペットへの入場路。人がたくさん集まってきていますが、鹿さんはまったく気にせず、おいしそうにお食事していました。
この後、ゲストで俳優の斎藤 工さんが、車に乗ってここを通っていかれました。(空前絶後の~)

2016年11月 奉祝マルシェの様子(奈良公園 県庁前)
2016年奉祝マルシェの様子
2016年奉祝マルシェの様子

多くの人でごった返していましたが、鹿さんはそんな事はお構いなし。お店を物色。でも鹿せんべいは売ってなかったね。残念

鹿せんべい飛ばし大会の様子

2017年1月28日(土)、若草山で、山焼き前に行われた鹿せんべい飛ばしの様子です。写真中央奥から手前に向かって鹿せんべいを飛ばします。

2017年若草山山焼き前の鹿せんべい飛ばし大会
鹿さんの準備はOKです。

もちろん鹿せんべい飛ばし大会も多くの鹿さんが参加します。飛んできた鹿せんべいを食べる方で・・・・。

ところで、楽しい鹿せんべい飛ばし大会は、3月の連休(19日,20日)にも行われます。詳しくは、奈良県観光公式サイト「なら旅ネット」の「鹿せんべい飛ばし春休み大会」のページで!

何かを待つ鹿

実は若草山は、冬の間は閉山しています。開山は、3月第3土曜日から。

若草山が開山すると、暖かい春がもうすぐです。

待ち遠しいですね。

 

 

奈良の見どころ その30 東大寺 修二会(お水取り)

奈良は、古くより人々の幸せを願う場所として、祈りがささげられてきました。

奈良の夜景
二月堂から見える奈良市の穏かな夜景。左が良弁杉、中央が大仏殿

天平勝宝4年(752)より絶えることなく続けられてきた修二会(お水取り)本行が、今年も3月1日から14日までの間、二月堂で行われます。

修二会は、私たちが日常犯している様々な過ちを、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる僧侶の方々がご本尊の前で、懺悔(ざんげ)し悔い改め、人々の幸せを祈ってくださる行事です。詳しくは東大寺 修二会のページで

今年は、3月1日(本行初日)に、二月堂に行ってきました。

お松明
2017年お松明 舞台の上だけでなく、二月堂へ上がる階段にもお松明の炎が見えます

19時、荘厳な鐘の音を合図に、お松明が点火され、お松明と共に次々と、練行衆の方々が本堂に入られました。

お松明は、二月堂に上堂する練行衆の道明かりとして、これから3月14日まで毎日あげられ、このお松明の火の粉を浴びると、無病息災にご利益があるといわれています。

練行衆の方々が二月堂に入堂された後、行法が始まります。下堂されるのは、午前1時から午前4時半頃までとのこと。毎日の行法に加え、特別な行法を行われることもあり、大変なお勤めです。
修二会中に行われる行法は下記ページからご参照ください。

東大寺ホームページ  修二会中、毎日行われる行法

二月堂そばには、次回分のお松明が準備されていました。人と比べてみると、とても大きいですね。

使用前のお松明
お松明は14日まで毎日あげられます。

練行衆の方々が入堂されるのをお見送りしたあと、二月堂を後にしました。

帰り際の東大寺参道脇の様子です。
夜暗くなっても、鹿さんは、相変わらずのんびりしていました。

夜の鹿
奈良公園の夜 おうちに帰らなくていいのかな?

東大寺での修二会(お水取り)もはじまり、少しずつ春が近づいています。
ぜひ、奈良にお越しになりませんか?


東大寺の修二会(お松明、お水取り)は、大変な混雑が予想されます。東大寺HPの「注意」等をご覧になって、お気をつけてご参拝ください。
東大寺公式ホームページ
Topics(交通規制のお知らせ)、 修二会 注意事項

お松明の際は、カメラのフラッシュは禁止になっています。練行衆の方の目が眩み、転倒する恐れもあり大変危険なのだそうです。
お松明が始まる前に、カメラのフラッシュを使わないでくださいとアナウンスがあるのですが、そこで慌てて、お持ちのカメラ、スマートフォンの設定をしようとして、どうしていいかわからないと焦る方が、例年いらっしゃいます。事前にお手持ちの機器の操作方法を確認されるのをお勧めします。