春日祭に行きました

春日大社にはいろいろなお祭りがあります。なかでも重要なお祭りが一月御祈祷始式、三月春日祭、十二月春日若宮おん祭りです。三月十三日は春日祭です。春日祭(申祭)は春日大社の例祭でその始まりは社伝では第五十五代文徳天皇の嘉祥三年(千百余年前)といわれていますが、それ以前にも奉仕されている史実があります。第五十六代清和天皇の貞観元年には庚申の夜に斎行され、それからは春二月冬十一月を祭日と定められました。これが申祭りの名のおこりであります。春日祭は奉られる濁酒の醸造始の神事です。春日祭は一般には非公開のため詳しくはご紹介出来ませんが、少し写真でご覧いただきます。

春日祭には天皇家よりの勅使御一行が来られます。勅使が来られる前に宮司以下神職によって御本殿の扉を開き奉るお祭りをされます。扉が開かれた後は二の鳥居前にて勅使をお迎えになられます。勅使一行はとりどりの装束を身に着けられ参勤されます。装束は華やかで中でも勅使の装束は縫腋の束帯というもので、長い裾を引いていてとても雅なものでした。始めに祓戸神社にて神饌をお供えし勅使のお祓いを祈願します。

勅使御一行お迎え

勅使祓戸神社参拝、

勅使御一行

勅使自らが神饌を担ぎ御本殿にお供えを奉ります。このように勅使自らが担ぐというのは他では見られない大変珍しい事だそうです。

神職がお供えのお神酒をご神前までお運びになられます。

御馬は神殿前、林檎の庭を三回引き綱に引かれながら廻ります。昔は8回廻ったそうですが、現在は3回になっているそうです。神殿前の階段は幅が狭く急なため馬は降りにくく、上手く降りられると皆ほっとしました。次に直会殿にて神職より勅使、辨代に饗膳お神酒を差し上げる直会の儀が行われました。その後は大和舞の奉納です。

この後勅使、辨代は位階.氏名の書かれた見参を受け取りご覧になります。ここはよく見えなかったのですが、真綿を左肩に受けられて拝舞の作法というのをされています。勅使御一行が退下された後は御扉を閉じ春日祭は終了しました。

春日大社は20年に一度執り行われる式年造替も終え御本殿は朱色鮮やかで大変美しくなりました。さらに今年は御創建1250年を迎えられたという事で大変おめでたく、それを記念して『春日大社のすべて』という特別展を奈良国立博物館で4月14日(土)~6月10日(日)の日程で開催されます。ご興味のある方は是非とも足をお運びになられてはいかがでしょうか。

奈良国立博物館、特別展 春日大社のすべて

直会にいただいた濁酒は発酵させただけの米麹の残ったお酒です。未発酵のお米は甘く口当たりの良いお酒でついつい飲みすぎてしまいますね。

参考:春日大社ホームページ