旧年中は菊一ブログに格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございました。
本年も「ここで鹿かワン!」と、ご用命いただけるよう精一杯頑張りますので、より一層のご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とますますのご活躍をお祈りいたします。
平成30年元旦
先日、実家の母から、包丁が欲しいとの相談がありました。
海が近いこともあり、友人から、釣った魚をいただいたり、お店でいきのいいお魚を買ったりと、1匹丸ごと調理することが多く、今は、出刃包丁で魚をさばき、刺身にするときは柳包丁を使っています。
ただ最近、若いころに比べ出刃包丁が、大きく重く感じるようになり、柳刃包丁もサイズが長く、扱いにくくなってきたとのこと。不便は感じるものの、どうしていいものやらよくわからず、取りあえず、柳(刺身)包丁が古くなってきたので、ちょっと小振りのものに替えてみようかな・・・との希望でした。
出刃、柳包丁については、以下のサイトをご参考ください。「菊一オンラインストア 包丁の種類」
母の希望に合わせ、早速、包丁を買ってみました。
私
母用に、柳包丁ください。
刃物スタッフ
柳包丁は、主に料理のプロの方がお刺身を作る際に使われていますが、ご自宅でそんなにたくさんお刺身作りますか?
私
はい、活きのいいお魚を、貰ったり買ったりして、魚を調理することが多いので、出刃包丁と柳包丁を使っているようです。
ただ、出刃包丁は重たいし、柳包丁は長くて扱いづらいし・・で、どうしたものかと悩んでいて、取りあえず、今回は、柳包丁が古くなってきたので、柳包丁を短めのものに買い替えたいらしいのです。
刃物スタッフ
出刃包丁は、しっかりした包丁なだけに、重いですよね。
ただ、代わりに軽い柳包丁を使って魚の骨を切ってしまうとすぐ包丁が傷んでしまうし、出刃包丁で魚の身を切って刺身にするのは大変ですよね。
私
そうなんです。おいしくお魚を食べたいので、頑張って包丁を使い分けているようですが、小家族で、作る分量が少ないこともあり、出刃包丁と柳包丁の使い分けはなかなか面倒なようです。
刃物スタッフ
それでは、船行包丁はどうでしょう?
私
船行包丁?
刃物スタッフ
形は出刃包丁にそっくりですが、船行包丁は、その名のとおり、漁師さんが船で使う包丁です。
船の上という限られたスペースで作業しやすいように、出刃包丁よりも刃の厚さが薄くなっているので、軽く扱いやすいのが特徴です。
また、船に何本も包丁をもちこむのが面倒なので、これ1本で野菜を切り、魚をさばき、お刺身が作れるようになっています。
家庭で魚をさばいて、刺身にするのであればこれで十分ですよ。
※もう少し、出刃包丁と船行包丁の違いを詳しくご説明すると・・・・
・包丁の厚さ・・・出刃包丁の方が厚く、しっかりとしたつくりになっています。
・包丁のおもさ・・・出刃包丁5寸が約240g、船行包丁が約140gと100gほど違い、船行包丁の方が断然軽いです。
・その他・・・船行包丁の持つ手はちょっと変形しています。船が動いても包丁が動き回らないようにとの工夫です。
今回は、刃物部門のスタッフと色々とお話したうえで、「船行包丁」を購入しました。
毎日使う包丁は、使い勝手に色々と悩むこともあります。そんな時は、菊一文珠四郎包永の包丁部門のスタッフにお気軽にご相談ください。
色々お話を聞かせていただきながら、納得いくものをお選びいただけるよう心がけております。
また、購入だけではなく、包丁の研ぎも承っています。職人さんが、丹精込めて作った包丁を、きれいに研ぎ直して、これからも使い続けていかれませんか?
以前のブログ 100年前の包丁
研ぎの料金は、包丁の素材・状態で変わりますので、まずは刃物部門のスタッフにご相談ください。ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
※包丁の状態によっては、研ぐことができず、お断りすることがありますが、その際は、どうかご了承いただきますようお願い致します。
【お問い合わせ先】
・お電話 0742-26-2211
・メールアドレス hamono@kikuichi.com
菊一包永オンラインストアの「お問い合わせ」からでも、承っております。
どうぞご利用ください。
先日、菊一包永本店でお買物をされた小学校の方から、お礼のお手紙をいただきました。
当店でお買物を楽しんでいただいたのですが、そのあと購入されたお土産をなくされ、どうしても見つからず、お困りのお客様でした。
文面を読ませていただくと、無事ご家族にお土産を渡され、喜んでいただいた様子。当店スタッフ皆が安堵し喜んでおります。
可愛いアイロンビーズで作った作品も同封していただきました。可愛い鹿さんですね。ありがとうございます。
当店へは、遠足や修学旅行、観光旅行のお客様が多くいらっしゃいます。皆さまの旅が楽しく、いい思い出が残るように、これからも心掛けてまいります。
うれしいお手紙を、本当にありがとうございました。
弊社は鎌倉時代の 手掻派刀工「包永(かねなが)」を祖にもち、その技を現在まで受け継ぐ打刃物を製造・販売しています。
前回、菊一文珠四郎包永 伝聞 NO1では、「包永(かねなが)」が残した刀をご紹介しました。今回はそんな手搔派 文珠四郎包永 の名前にかかわるお話です。
まずは、「手搔派」について
大和の国(奈良)には、大和五派(やまとごは)といわれる刀工集団がおりました。
千手院(せんじゅいん)、尻懸(しっかけ)、当麻(たいま)、保昌(ほうしょう)、手掻(てがい)です。
包永は「手搔派」ですが、この名称は、初代包永(平三郎)が、鎌倉時代後期、東大寺の転害門(てがいもん)付近に住んでいたことが由来になっています。
転害門(てがいもん)は、東大寺の西側にあり、「碾磑門」「手掻門」「手貝門」と色々な漢字が使われており、包永一門はここから手掻派と呼ばれるようになったようです。
ちなみに、「手搔」の由来は・・・
高僧 行基が、大仏開眼供養会(752年)のため、インドからいらした僧侶たちを転害門で出迎えた時に、手を掻くように動かして招き入れたことからつけられたといわれています。到着を心待ちにされていたんですね。
包永一族は長きにわたりこの地に住んでいたようで、転害門前には、包永町という町名がいまも残っています。
では、次になぜ名前に「文珠」がついたのかのお話です。
包永の子(別説では孫)も、四郎左衛門も刀工となり、日々作刀の修行をしておりましたが、同時に般若寺に足しげく通う、信仰心の熱い方だったようです。
般若寺 寺伝によると、四郎左衛門がご本尊の文殊菩薩像に立派な刀を作りたいと心より祈願したところ、文殊様の化身が現れて、四郎と一緒に見事な刀を作り上げたとのこと。この功績で、般若寺より、文珠を名乗ることを許され、その後、文珠四郎と名乗るようになったと伝わっています。
当社では、この時作成した刀が、現在、静嘉堂文庫美術館に所蔵されている太刀(国宝)と伝えられています。
また、文珠四郎にかかわる伝説が、若草山麓の野上神社にも残っています。
野上神社は、毎年行われる山焼き行事の無事を祈願する、重要なお社で、山焼きの際は、このお社で祭典を行ってから山に点火されます。
御祭神は、「草野姫命(くさのひめのみこと)」、火の神様です。
その野上神社の東側(写真 お社の右側)にある方形の石が、文珠四郎が刀を作る際に使用した金床石、西側(写真 お社の左奥側)にある石は、文珠四郎の刀で切りつけた石といわれています。
この伝説は、江戸期まで言い伝えられていたようで、江戸時代の尊皇派 高山彦九郎の「甲午春旅日記」に、野上神社のことが、以下のように書き残されています。
~安永三年(1774)二月十五日~
「山下に文殊四郎の社有、東の方たかくとこ石、西の方にこしらへし刀をこころみし石也とてきれて有り」
昔から変わらず、野上神社は若草山のふもとに鎮座されています。爽やかな風が吹き抜け、悠久の歴史を感じることができる所です。
奈良公園にいらした際は、ぜひ立ち寄られてはいかがでしょうか?
参考文献:
「奈良市史 工芸編」 編集者 奈良市史編集審議会
「春日大社のすべて」 著 者 花山院 弘匡
9月16日(金)に、春日大社奉納後、発売を開始いたしました 「春日鹿まんじゅう かのこ」は、新聞各紙に掲載していただき、予想以上の反響で、スタッフ一同大変喜んでおります。
新聞をみて、「食べてみたくって」とお買い求めに来ていただいたお客様、食べて「おいしかったよ」といってくださるお客様。本当にありがとうございます。
奈良市商店街振興会 様 には、9月27日(火)の「お客様感謝イベント 第10回ならまち演芸」での景品として多数ご購入していただきました。「おいしいし、奈良らしいお菓子で、プレゼントにピッタリ」とうれしいお言葉をいただいています。
店舗によっては、品切れが発生してしまい大変ご迷惑をおかけしております。現在、生産量を増やし対応しておりますので、何卒ご容赦のほどお願いいたします。
今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
■関連記事(2016年9月掲載分)
奈良新聞社 (9月17日付)
奈良日日新聞 (9月23日付)
読売新聞 (9月29日付)
先日、台湾の台北市、台中市、高雄市の3都市に出張に行ってきました。奈良にたくさんの方が観光に来ていただけるよう、奈良の魅力をたくさん語り、弊社の商品もご紹介して、台湾の方とも色々とお話できた、実りの多い出張でした。
写真は商談開始前のものが多く、閑散としているように見えますが、どの会場も多くの方に来ていただき大盛況でした。
台湾の方は、本当に穏やかで、優しい方ばかりでした。お料理もおいしく、今度は仕事でなく観光で遊びに行きたいですね。
奈良も負けないよう、頑張ります!!
旅行を計画中の方、ぜひ、奈良へお越しください。
楽しい旅の思い出ができるよう、鹿さんと一緒にお待ちしています。
「包永」は鎌倉時代より名品を残してきた刀工(刀鍛冶)達です。特に鎌倉時代から三代にかけて、下記のような、「包永」銘の太刀(国宝1、重文6)を残しています。(文化庁 国指定文化財データベースより)
国宝・・・・・・・・・・東京都 公益財団法人静嘉堂文庫
重要文化財・・・・東京国立博物館文化庁分室、 四条畷神社、姫路神社、個人所有
刃の面がそれぞれ異なる刀だったようです。前出「詳註刀剣名物帳 : 附・名物刀剣押形」に、刃紋が残されていました。
この刀の名は、大和奈良坂にある「児手柏」の木の葉のように表と裏の模様が異なるため、この名がついたとのこと。この「児手柏」は奈良豆彦神社にあったそうですが、昭和二十七年(1952)に枯れてしまったようです。
次の機会には、「包永」と縁が深い「転害門(てがいもん)」のお話を予定しています。
菊一文珠四郎包永 本店 は若草山そばにあり、スタッフは四季を通じて自然の美しさ、鹿さんのしぐさに、いつも癒されています。
鹿さんは雨が大好きなようです。
昨日はあいにくの雨でしたが、若草山にたくさん集まり、草を食んだり、走ったりと、自由気ままに過ごしていました。
中には濡れるのが嫌いな鹿さんもいらっしゃるようですが・・・
若草山へは、「ぐるっとバス」がとても便利です。おもに土・日祝日のみの運行ですが、JR奈良駅、近鉄奈良駅からの乗車で、料金が100円とお得です。「若草山麓」が最寄のバス停になります。
8月は、平日に運行されることもありますので、奈良観光のご予定のある方は「ぐるっとバスのご案内」をどうぞご覧ください。
若草山のふもとにある、菊一文珠四郎包永本店では、お店入口にミスト・店内に無料休憩所がありますので、店内で刃物の実演などを見ながらゆっくりと涼をお取りいただけます。
若草山散策の際はぜひご利用ください。